2007年8月19日日曜日

無形の力

著者名;野村克也;発行年(西暦)2006;日本経済新聞社;値段;1000-1500円
 一種の自伝でもあり一種の野球哲学でもある。壁にぶちあたったときの野村監督のスランプの克服方法が「本を読み打開策を模索」とあるのがすごい。現在の自分の頭だけでなく他の媒体にヒントを求めようとする姿勢はスランプ打開には適切な方法だと思う。土壇場の窮地においやられても「敗窮に勝機を知る」といっ たぎりぎりまでの努力とヒントの打開策。土壇場の苦しいときに諦めないかかぎりにおいては活路が開ける可能性がある、という意味だそうだが、土壇場ですべ てを放棄してしまうよりは前向きの姿勢ではないかと思う。自分自身の能力を知り、それにむかって努力してこそ道は切り開かれるという深いアドバイスがこめ られている。だれもがめざすわけではないが、しかし自分には向いていて公共的法的に社会に貢献できる道。まず自分自身を知ることと自分自身との戦いからそ うした道が始まるのだろう。 
 そして史上最も弱いはずの楽天は2007年8月18日に、球団最多勝利の48勝目をマーク。かつて近鉄とオリックスの合併騒ぎのさいに、オリックスによばれなかった選手たちが集められた…といったイメージから徐々に脱却。新人のマー君こと田中投手や怪我から復帰してきた一場投手など投手陣も徐々に充実。「無形」の力が「有形」の戦力を倒す…という野球の醍醐味を展開してくれている。

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