2007年8月19日日曜日

ビジネスマン出世の原理・原則

著者名;山田智彦 出版社;河出書房新社 発行年2006年
「肩書き」って難しいなあ…と思うのは、いずれどこかの組織体を離れればすべてはがれるラベルではあるのだが、そのラベルで他人はある程度の「推測」をする。大企業であれば大企業であるほど信用度がとりあえず増す…というのはどこの世界でも同じ。住宅ローンなどは民間企業よりもリストラなどの可能性が極めて低い市役所などのほうがおそらく金融機関は「信用」するはずだ。自治体の破産というのはやはりY市のようなケースを除いてはきわめて稀なことだし…。
 さて元銀行員の山田智彦氏の一種のビジネスに関するエッセイなのだが、戦国時代の武将の話がやや多いのが気になる。ただ、「諦めることなく志を継続し」というフレーズやメッセージが非常に多く見受けられるのは、やはりそれだけ大多数の人間が途中で諦めや失望感に襲われるからかもしれない。継続することだけでも一つの成功とか努力の証…と考えている自分にとっては、「継続」って大事なことだ…と当たり前のように考えている部分があるのだが、これってあんまり世の中の常識ではないらしい。「見切り」というのも確かに大事なのだけれど、「原理」とか「原則」って結局、どれだけ不確実性の高い現実世界で、期待値を維持できるか、維持すべきかという判断力にかかるのかもしれない。 

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