2012年6月1日金曜日

博覧強記の仕事術(アスペクト)

著者:唐沢俊一 出版社:アスペクト 発行年:2009年 本体価格:1429円
 世の中にあふれる「知」を自分なりに整理整頓して「アウトプット」すること…を「博覧強記」とする。単に知識や理論をインプットしているだけではなく、それをそれぞれが自分なりに解釈を加えて整理・加工しておかなければならない。これ、暗黙のうちに自分でも「そう思ってた」。ただそういう理屈を思いつかなかった。だからまあ私は「博覧」ではおそらくないのだろう。
 モチベーションやテンション(集中力)なんていうのにも目配りがきき、単なる「ト学会」の会長のノウハウ本というわけではない。世界観をつくっておけば多少のことではアタフタしないですむ。だから勉強は大事だね、ということを俗人向けに語りかけてくれている本なのだ。
 だからデータはデジタルで整理してアナログで情報をどんどこ取り入れていこうという一見ノウハウ的な面も、最後まで読むと「聖書」やら「わが闘争」なんてのを本棚に置いておくと便利みたいなことになる。垣間見えるのはやはり「知識を入れて」さらには世界観をきたえておかないとヒトラーみたいな人間があらわれたときに、なんの考えもなく洗脳されてしまうよ、ということで、「仕事術」とはめいうってあっても、金儲けになるかというとぜんぜんならない術ばかり。いや、これ読み終わって肯定的に書いている。本の文章などは全部理解していなくてもほんの数行だけでも理解できればその百倍も二百倍も応用がきく。「博覧」(一定の世界観のもとにアウトプットする)しておかないと、トンデモナイ別の世界観に洗脳されてしまうこともありうる。これ、一種の警告の書でもある。

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