2012年6月14日木曜日

ナポレオンを創った女たち(集英社)

著者:安達正勝 出版社:集英社 発行年:2001年 本体価格:680円
 どうしても欲しくなり書店を探し回ってもみつからない。amazonで検索するとでてきたので注文し、届いてすぐ読み終わる。新書はやはり書店では新刊メインで取り扱われるため、版元が出版していても書店の棚ではなかなか見つからないものであるようだ。
 ナポレオンの母親からタリアン夫人、スタール夫人、ジョゼフィーヌ、ヴァレフスカ夫人、マリー・ルイーズ。それからナポレオン法典と明治民法との関係などタイトルは「女たち」となっているが、ナポレオン法典の解説にもかなりページがさかれており、それがまた魅力。マリー・ルイーズに関してはかなり手厳しい論調になっているが、ジョセフィーヌの後半の献身ぶりからすると、マリー・ルイーズは稀代の天才の足をひっぱった女性といえるかもしれない。巻末の註記は新書には珍しいほどの分量だが、これまた読んでいて楽しい。どの書籍からどのように著者が見解を導き出したのかがわかるようになっているため、この本からさらに別の本へとハイパーリンクされている。非常に丁寧な造りの本で、もう少し売れてもおかしくはない新書ではないかと思う。

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