2012年6月17日日曜日

ホイラーの法則(ビジネス社)

著者:E.ホイラー 出版社:ビジネス社 発行年:1971年 本体価格:1359円
 ながらく絶版状態のままで、古本屋さんかamazonで入手するしかない。勝間和代さんなどがこの本を激賞していたため、一時期amazonの価格も高騰していたが、やっと価格が落ち着いてきたので入手。セリングポイントをいかに消費者に訴求するべきか、という本で小売商の店員さんや営業には役にたつ本だろう。あるいは製作者も「短時間でアピールできるセリングポイントを作り込む」という発想にたてば、より社内の営業部などにも説明しやすい本が出来上がる可能性がある。ルーズベルト大統領の選挙演説なども例に出されているが、いくら正しいセリングポイントでも相手に伝わらなければ意味がない。いかにして伝えるか、と考えていくと郵政民営化当時の小泉総理の手法は、いろいろ批判はあれど少なくとも大衆に伝わるメッセージを作り込んだという点では評価できる。今国会の消費税増税についてもホイラーの法則で、法人税減税と消費税増税でどれだけ徴収率が変わって、しかも消費が多い人ほど確実に徴収できるのだ…というメッセージを伝えることができたら、もう少し世の中の動きも変わっていたかもしれない。少なくとも財政赤字がこのままでいいとは誰しも思ってないわけで。「想像力に訴求する」というセールスの本でいえば、たしかにこの本に続く本はなかなか21世紀の今はでてこなさそう。

0 件のコメント: