2012年6月18日月曜日

うるさい日本の私(日本経済新聞出版社)

著者:中島義道 出版社:日本経済新聞出版社 発行年:2011年 本体価格:667円
 「騒音」についてトコトンまで抗議する哲学の宣誓の「戦闘記」。え、ここまでやる?、というぐらい駅や海岸、デパートなどでの「騒音」と騒音をやめさせる運動について語り、さらにそれが日本文化論にまで昇華していってるのに感服。抗議しにいってるのに、アナウンスをしているオバハンと仲がよくなり「抗議がしにくいのである」と真面目に語るあたりがなんともおかしい。
 「JR東日本にはぶつかっていくが暴走族には体当たりしない」というあたりがまた微妙に大人である。とはいえ、選挙運動に抗議したついでに選挙カーをけっちゃったりしているから、まあ、たいしたものである。
 駅のアナウンスや道路の音声などはまあしょうがないかな、と考えている。選挙運動の演説もまあ必要悪かもしれない。我慢がならないのはやはり商店など商行為にまつわる音声で、著作権も無視して曲ががんがん流れている店では個人としては買い物はしない。選挙運動についても…まあ存在は許容はするが…あんまりうるさい演説をしている人には投票しない。公共性の高い音声については別枠の問題だが、商行為にまつわる騒音については意外と結論は単純で広告宣伝として効果があればその店は栄えるが、そうでなければ消費者の反感をかって店がつぶれる。営利団体の音声はわりとそういうものだろう。で、こういうエキセントリックな哲学者の本がなんと日本経済新聞の文庫で出るというのが驚きだ。この著者はかなり大真面目に騒音問題に取り組んでいるのはわかるが、もし…この著者が自分の前にあらわれて「うるさい」だのなんだのといわれたら…私は逃げる…。

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