2012年6月23日土曜日

物流戦略の実際(日本経済新聞出版社)

著者:中田信哉 長峰太郎 出版社:日本経済新聞出版社 発行年:1992年
 小売商はもちろんマーケティングから、そして物流の新書まで出せるのはやはり日本経済新聞出版社だけだろう。内容はややはレベルが高い。いきなり物流を勉強するには高度すぎるが、かといって実務の人にとってもすぐ役にたつというわけでもない。サプライチェーンが…とはいっても実務にとってはそれは結果論みたいな部分もあるのではないか。トラックの運転手が一番困るのは遠くまでいって、そこからカラで帰ってくることだとすると、今は携帯電話があるから「ついでに荷物運んで来て」と本部のほうではいえる。ただそういう通信システムがなかった時代には需要と供給の物理的接点がなかったわけだから、携帯電話ひとつで物流情報処理はかなり画期的に効率が増したことだろう。国際宅配便の利用も始まっているがこの本では国際物流を扱っているのも興味深い。航空輸送か船舶輸送と自動車輸送を組み合わせるしか方法はないようなきがするが、あとはコストと時間をいかに短縮していくかということだろう。ハイレベルではあっても流通論やマーケティングにもつながる知的面白さが味わえる。

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