2012年6月6日水曜日

必ず誰かに話したくなる経済学(PHP研究所)

著者:門倉貴史 出版社:PHP研究所 発行年:2012年 本体価格:1400円
 行動経済学や経営学を現代風のテーマで紹介していくという本。ちょっと安易な感じもするが、AKB48などグループで売り出すアイドルは、1人で売り出すアイドルよりも1人あたりの固定費が安くなる、という解説はさすが。だいたい1人のアイドルをそれなりに認知させるには2,000万円ぐらいはかかると聞いたことがあるが、これがたとえば4人グループで人気がでてからばらばらにバラエティなどにも出演するようになると、売上高は4倍ということに。
 またフランスのジャネの法則も興味深い。人間が感じる主観的な時間の長さは実年齢に反比例するという法則で、たとえば10歳のときの1年と40歳のときの1年とでは、確かに4対1ぐらいの比率にはなっていそうだ。
 ただまあ、この本の装丁がややイラストが多く、文字も大きめで余白をかなりとっているあたり、単行本で買わなくても文庫本でも読みやすいのでは…などと思ってしまう。またクライマックスと最後が肝心というピーク・エンドの法則にならえば、途中かなり面白い話題はあれど、最後はわりとオーソドックスなコンビニエンスストアの出店計画という地味なテーマを設置したのはいかがなものか。チェーンストア・パラドックスの話は個人的には興味深いが、ここまで読み物風にきて、最後にゲーム理論はちときついかも。

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