2012年5月22日火曜日

平林都の接遇道(大和書房)

著者:平林都 出版社:大和書房 発行年:2009年 本体価格:1300円
 ある大学の就職セミナーで「~でございますか、とつければ丁寧になる」というのを教わった学生が「それはマジでございますか」と先生に尋ねたらしい。これは二重の意味で間違っていて、「マジ」は丁寧語ではなくて俗語なので「本当」「真実」などの用語を用いなくてはならない点で「~ございます」は自分の行為をさすもので相手について尋ねるときには「~でらっしゃいますか」といわなければならない。やはり接遇や敬語、マナーが重視される所以はそれなりにありそうだ。
 疑問形で尋ねると(~お待ちいただけますでしょうか、など)、相手に判断の素地を与えるので断定でいうよりも接遇にかなっているという文章がありなるほどと思った。接遇の形式そのものにはそれほどほかの書籍と異なっているわけではないが、理由づけや応用がきくような著述がなされているか否かが売れる本とそうでない本の違いになるのだろう。著者自身がもはやカリスマ化しており、今後もこの著者の本は安定した売れ行きが期待できそう。その意味でカバーを著者の写真にしたのは正解だろう。

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