2012年5月4日金曜日

牛丼一杯の儲けは9円(幻冬舎)

著者:坂口孝則 出版社:幻冬舎 発行年:2008年 本体価格:720円
 財務諸表などから売上原価率をはじき出し、おおまかな仕入原価などを予測するという内容。市場の関係で今は販売価格をいじることは難しいとされているが、確かに仕入原価や仕入諸掛を削減することは可能。資材購買という部署はここ10数年でその重要性を確かに増している。
 100円ショップは特に販売価格が限定されているが、倒産した会社から仕入れる「倒産便乗」などあまりこれまで知らなかった裏の仕入れルートも紹介されているのが興味深い。商品知識を知り尽くし、商品の流通ルートを知り尽くすという資材購買の常識や、値引交渉のやりとりなどもすぐに役にたつわけではないが、いずれは有用であろうと思われるノウハウがつまっている。
 タイトルが「いかにも」なタイトルなのでそこが誤解を有無かもしれない。サブタイトルに「仕入原価入門」など仕入れや資材購買に関係する本だということをうたっておかないと、最近よくある財務諸表論や管理会計入門の本と勘違いされてしまうかもしれない。会計学の本はけっこう増えてきたので資材購買に関連するこういう本、もう少し増えてもいいかもしれない。

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