2012年5月27日日曜日

小売店長の常識(日本経済新聞出版社)

著者:木下安司・竹山芳絵 出版社:日本経済新聞出版社 発行年:2005年 本体価格:830円
 小売店舗の「店長」に焦点をしぼって自己変革力・コミュニケーション・地域コミュニティ・ドメイン戦略・成長戦略・財務管理・プロモーションについて一通り概観できる本。財務分析も入っているため、最初から最後まで読み通すには入門書なのにもかかわらずある程度財務諸表の基礎ができていないと理解できなくなるというのが難点。ただし小売店長が単式簿記だけでなく複式簿記についても理解を深めておくことは確かに重要だろう。最近小売店舗に行くときに気になるのが「客数」と「客単価」だが、ちゃんとそれもレクチャーされている。
 牛丼屋さんにいくとお客さんの数は半端なく多いが、客単価はおそらく1人あたり500円~600円。しかし5分に1人ぐらいは客が入ってきてしかも回転率も高いから、24時間営業でみても1店舗1日数百人の客数はあるのではないか。たとえ客単価が50,000円以上であっても一日の客数が2人とか3人とかのセレクトショップなどよりも牛丼や立ち食いそばのほうがよほど売上も利益も獲得できそうだ。ただし客数を稼ぐというのも難しい技ではあるけれど…。このほかウェザー・マーチャンダイジングなど即効性のある小売店舗の理論がまんべんなく紹介されていて興味深い。

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