2011年10月23日日曜日

平台がおまちかね(東京創元社)

著者:大崎梢 出版社:東京創元社 発行年:2011年 本体価格:700円
発行された2011年9月にはあちこちの書店で平積みだったが、11月になると平積みの書店もかなり減ってきた。文庫本も新書も新刊の山だけに、発刊2ヶ月もたつと次々の競合商品が出版されてくる。書店の平台は面積が限定されているため、どうしても新刊優先になってしまうのはしょうがないが、それだけに書店営業はすでに発刊された既刊本も含めてブックフェアやPOP広告などにまい進。そんな書店営業の業務をからませて日常のちょっとした「ほんわかミステリ」を、新人書店営業が解決していく。版元は東京創元社。ミステリの文庫本を地道に発刊しているという印象の出版社だが、著者は実際に書店営業についてまわって取材をかさねた模様。業種としては書店営業だが、地方書店がかたひじはらずに付き合いができる「吉野」という登場人物のパーソナリティは他の業種業態でも勉強になる点多いかも。実際、大手・都会の「営業が地方の小規模メーカーなどに営業するさい、どうしたって相手側にはいろいろ引け目もでてくる。そんな引け目を柔軟にほぐしてしまうのもやり手の営業のスキルなわけで。なかなか知られることが少ない版元と書店の情報流通や物流を担当する職種で、出版社によっては広告宣伝もかねることが多い部署。読書好きの方はもちろん、販売促進にかかわる方にもおすすめ。

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