2011年10月10日月曜日

百番目の男(文藝春秋)

著者:ジャック・カーリイ 出版社:文藝春秋 発行年:2005年 本体価格:771円
シリーズ第4作目の「ブラッド・ブラザー」はいろいろな書店に平積みのまま(2011年10月時点)だが、2005年4月10日初版、2010年7月25日4刷の文庫本を入手するのにはけっこう時間がかかった。楽天やセブンネットなどでも入手はできるが、書店で内容を立ち読みしてから購入したい。というわけで池袋リブロの店頭で立ち読みしてから購入。いや、荒削りな展開ではあれど、非情に面白い連続殺人ミステリー。いや~な感じの管理職のもとで新設の部署が捜査を立ち上げていくという話の展開もユニーク。人物展開もやや雑なため、ラストのほうで展開される「実は悪役…」という種明かしにも限界がでているのは事実。ただ、ストーリー展開がユニークなのでぐいっと最後まで読んでしまう。「贈与」と「交換」ということでは、やはり「情報分析」という贈与をしてくれる「兄」の存在が主人公にはある。ミステリーだからして、最後はもちろん「正義」が勝つのだが、勝ち方にもいろいろあるもんだな、と皮肉な微笑で最後のページをめくれる「読者としての喜び」ってものが味わえる。

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