2011年10月10日月曜日

ユニット(文藝春秋)

著者:佐々木譲 出版社:文藝春秋 発行年:2005年 本体価格:714円
文庫本は2011年7月5日でなんと第15刷。発行から半年ほどで店頭から消えてしまう本も多い中で異例のロングセラー。内容はそれほど明るい内容ではない。妻と子を虐殺されて心に傷をおい、アルコール中毒になっている男。夫から家庭内暴力を受け家を出た女。妻にでていかれた経営者の男。いわゆる「普通の家族」からは離脱した、もしくは離脱せざるをえなかった男女が、家族ではなく「ユニット」(擬似家族)を結集して「トラブル」に立ち向かおうとする物語。「家族ってなに?」という質問に対して、「助け合わなきゃね」と答えられるような「ユニット」こそが、実は捜し求めていたものだった…。という展開に、出て行った妻を執拗に捜す刑事や、刑務所を出てから職場を探す元少年犯などもからめる。なるほど、これはロングセラーになるのも当然というストーリー展開。

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