2011年10月28日金曜日

九月が永遠に続けば(新潮社)

著者:沼田まほかる 出版社:新潮社 発行年:2008年 本体価格:629円
発行されたのが平成20年2月1日(文庫版)で、購入したのが平成23年10月30日第15刷。僧侶や会社経営のすえ、小説家となり賞も受賞したということもあって注目を浴びているようだ。発行から3年がすぎて書店では平積みになっている。売り込みの文句は「エロコワ」。でもなあ。個人的にはエロイともコワイとも思わない。まず主人公は41歳のバツイチ主婦で子供は高校生という設定。こういう主人公がどういう恋愛関係をくりひろげようとそれが「エロイ」とは思わない。少なくとも個人的にはそう。で、「こわいか」というと、これも個人差がでてくるが、ぜんぜん怖くなかった…。さまざまな人間関係が繰り広げられる点で「怖い」と思う人もいるのかもしれないが、「自分だったら」と冷静に考えると、こういうただれた人間関係にはウンザリして逃げ出すだろうな、としか思わない。想像力が欠けているのかもしれないが、小説よりも映画とか演劇に向いているストーリーなのかもしれない。「息子」を喪失した…という喪失感覚がなんか感じ取れないんだなあ…。途中思ったのは第一人称で語られるこの「世界」がもし成立するのであれば、一人の人間の頭の中の妄想ではないか、ということ。こういうのって、怖いっていうよりもえげつないと表現するしかないんじゃあ。

0 件のコメント: