2011年12月31日土曜日

人間関係は感情で動く(新講社)

著者:和田秀樹 出版社:新講社 発行年:2011年 本体価格:800円
 喜怒哀楽によって人生を豊かにもし、貧しくもするというテーマで一貫。感情は情報の認知体系にも影響を与えるので、当然知識や推論にも影響をあたえる。そう考えると巷で流行のポジティブシンキングも、あながち迷信とは思えない。24ページあたりには「喜怒哀楽」の「哀」については他人に向けなくていいというアドバイスがのっていたが、確かに野球の監督がピッチャー交代を告げるときに哀しそうだと先発投手の今後の活動にも影響を与える。また精神的治療においては当然のことながら暖かさが優先されるので、たとえば統合失調病の患者さんなども暖かく接することで妄想などが消えるケースなどもあるようだ。小さな達成感を大事にして大きな目標を達成していこうとする感情管理も大切なスキルだろう。ただ逆に言うと、感情コントロールは一定の年齢以上になれば誰しも大事なことであるというのは気づくことなので、より具体的なスキルが紹介されているともっと読者は応用できる素地がえられたかもしれない。

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