2011年12月23日金曜日

深夜プラス1(早川書房)

著者:ギャビン・ライアル 出版社:早川書房 発行年:1967年 本体価格:840円 評価:☆☆☆☆☆☆☆☆
 飯田橋には昔「深夜プラス1」という本屋さんがあった。眼がねをかけていつも本を読んでいる商売っ気があまりない店主がいたが、今思えばそれがミステリー評論家の茶本さんだったのかもしれない。その後、その本屋さんは居抜きで別の経営者が経営するようになり、さらに現在は日高屋となって近くの大学生や会社員が食事をしている。
 深夜プラス1の名前の由来がこの小説。映画に「トランスポーター」という運び屋を主役にした作品があるが、ネタモトはこの本だろう。フランスのレジスタンス活動に従事していたルイス・ケインは、マガンハルトという婦女暴行容疑の容疑がかけられている男を定刻までにふらんす北西部からリヒテンシュタインまで届けなければならない。アルコール中毒のガンマンとマガンハルトの秘書も連れて4人の疾走が始まる…。裏稼業に生きているのに、高いモラルと謙虚なふるまい。そして大胆な銃撃戦と突破口と推理や知能の発揮。ということで冒険小説のトップをいく作品。2011年の年末にこの小説を一気に読み通すことができて幸せ。

0 件のコメント: