2011年12月3日土曜日

地名でわかるオモシロ世界史(角川書店)

著者:宮崎正勝 出版社:角川書店 発行年:2011年 本体価格:667円
 世界史は歴史の「一分類」ではあるけれど、ある程度地図など参考文献が文章とともにないと素人にはまるで理解ができない人名と地名の連続となる。特に19世紀以降の国民国家主体の現在では、昔の「フランク王国」やら「神聖ローマ帝国」といった「国」と現在の国連加盟の「国」の違いはわかりにくい。「はじめに」で著者は歴史を「積み重なるもの」と定義しているがまさしくそのとおりだと思う。地名は同じ地域に蓄積した歴史の残存なのだ。地中海の歴史(フェニキア人)から始まり、イスラム、モンゴル帝国、中国と五大陸の地名を取り扱い、しかもそのほとんどすべてが「時系列」にそっているという構成がすごい。実際にかなり面白く読めるのだが、45ページに記載されているオクシデント帝国とオリエント帝国の分析地図、65ページの「イア地方とランド地方の分布図」などなかなかオモシロい地図が豊富に掲載されており、著者のコメントも簡潔にして、しかも通説にそった内容。社会人の一般教養の書籍としてももちろんだが、受験勉強にも使える本だと思う。

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