2011年12月13日火曜日

封印再度(講談社)

著者:森博嗣 出版社:講談社 発行年:2000年 本体価格:781円
 講談社文庫は森博嗣の文庫本の想定を新しくし、「新しいカバーで森博嗣を読み直す」キャンペーンをしている。内容はもちろん同じとして、新しい装丁で、しかも新しい紙で本を手に取ると、また新たな気持ちで本を読むことができる。内容としては2000年当時のIT世相を反映して、今読み直すとちょっと古い気もするが、ミステリーの謎解きには影響はない。「密室」たりうる必然性と、納得のいく「動機」で傾きかけた旧家の殺人事件に大学助教授と女子大生のコンビがいどむ。「不完全そのものが完全の形になる」という鈴木大拙の言葉が巻頭に引用されているが、まさか「禅と日本文化」の言葉が謎解きに関係してこようとは。

0 件のコメント: