2011年12月13日火曜日

知らないと恥をかく世界の大問題2(角川書店)

著者:池上彰 出版社:角川書店 発行年:2011年 本体価格:780円
 世界のリーダーがいれかわるという「2012年問題」。オバマ大統領も中間選挙で惨敗しているが共和党の候補者も弱含みである。中国は共産党大会の動向から習近平へ。ロシアはメドベージェフからプーチンに大統領がかわる可能性が。この2012年問題からギリシア問題、そして為替介入の解説へと見事な流れ。そしてアメリカ、中国問題へと筆が進み、資源問題へ。池上氏の「わかりやすさ」とはもちろん博学な知識と語り口にあるのだろうが、根本的なところに眼をむけると「構成」の力というべきテーマの配列方法にあるのではなかろうか。扱っている項目が他の著者とそう変化があるわけではない。地がつとすれば項目の配列方法。そしてその「接続」だ。構成と接続がしっかりしていれば、多少アヤフヤなところがあっても大方のところは読者には把握できる。詳細で正確な情報よりもある程度おおづかみで、多少厳密ではなくてもたとえ話などでイメージをつかませてもらえるほうがこの手の本の読者ニーズには対応している。細切れのニュース報道ではつかみにくい個々のニュースのつながりも、この本を読むとある程度流れが読めるというのもメリット。「顧客満足」とは、時事問題に興味をもつ読者にてらせば、この本のことをいうのだろう。後は地図など視覚情報がもっとあればいいのだが。

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