2011年12月29日木曜日

恐怖の誕生パーティ(新潮社)

著者:ウィリアム・カッツ 出版社:新潮社 発行年:1985年 本体価格:480円
 現在は絶版のこのミステリー、ちょっと前なら神田か早稲田の古本屋を探索しなければならなかったのが、今ではamazonで簡単に入手できる時代になった。そして読みたくてたまらないときに本が購入しえるのであれば、食事よりも贅沢よりもまず最初に優先すべきは本である…というのは個人的な経験則。さてこのミステリーでは一番最初から「犯人」は明示されている。とび色の髪の毛の女性に執着し、12月5日という日付に執着する連続殺人犯。そしてその妻は12月5日の誕生パーティを企画するが、夫の小学校も高等学校も大学も、そして前の勤め先にも在籍していた痕跡がない…。友人の助言をえつつも、問題の12月5日まで時がせまる…。たわいがないといえばたわいもないストーリーだが、人間の「アイデンティティ」について考えるには非常に興味深いテキスト。

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