2010年11月23日火曜日

朝倉恭介(角川書店)

著者:楡周平 出版社:角川書店 発行年:2009年(角川書店文庫版) 本体価格:781円(角川書店文庫版)
シリーズ最終作。会社の帰りに喫茶店で「ターゲット」を読み終わり、そのまま駅の近くの本でこの本を購入。もともとシリーズものに弱いというのは自覚していたが、1作目の「Cの福音」が面白くてその続編もなかなかとなるとやっぱり最後まで読み通してしまう。南米で量産されているコカインは中継基地(つまりアメリカ)が必要ということもあって末端価格がはねあがるという特性があった。その流通コストを関税法の盲点をついて削減したのが朝倉恭介。だがその秘密はCIA、警察そしてジャーナリストにも知られるようになってきた…。「善」と「悪」というよりも孤独な魂が最後にぶつかりあうシーンが印象的だ。場所はコロンビア、アメリカと移るが最後はやはり日本の神奈川県警をまきこんだ壮絶なカーチェイスシーン。逃げ切れるわけがないと思う読者は、朝倉恭介のリアルな「逃走」に逆にしびれるにちがいない。

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