2010年11月15日月曜日

ハンニバル戦記 上巻(3巻)(新潮社)

著者:塩野七生 出版社:新潮社 発行年:2002年(文庫版) 本体価格:362円(文庫版)
3巻目まで読み進める。やはり単行本よりも読みやすい。ただし地図など図版は面積が小さくなるのでそれは単行本のほうがやはり有利ではあるが。この上巻では主に第一次ポエニ戦争を取り扱う。コルシカ、サルディーニャ、シチリアなどイタリア半島の目と鼻の先の島もカルタゴの支配下にあり、地中海の制海権のほとんどはカルタゴが握っている状態。またローマは背後のイリリア地方やマケドニアにも脅威を抱えている。ハンニバルはまだほんの少ししか登場せず、その父親のハミルカルがカルタゴを率いる。ハミルカルは国外重視派だったため第一次戦役後は現在のスペインに移り、そこでカルタゴの領土を増加する。そして第二次戦役の布石を作る。第一次ポエニ戦争ではカルタゴもローマもシチリアの支配権をめぐる局地戦といってもいい段階で、しかもポエニ戦争の再開をだれもが予想しておらず、ローマはむしろ北部のガリア人(ケルト人)に備えた軍事強化が目標とされていた。そしてまたローマではギリシア文化がはなひらき、同盟国に近くなったシラクサなどへの留学も盛んになっていく。

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