2010年11月20日土曜日

職場は感情で変わる(講談社)

著者:高橋克徳 出版社:講談社 発行年:2009年 本体価格:740円 評価:☆
職場の雰囲気あるいは準拠集団の「雰囲気」みたいなものは確かにそれぞれ個人の気の持ちようという面はある。この本で一つ知った概念が「組織感情」だが、組織そのものがもつ気分の上下みたいなものは確かに「組織感情」という言葉で簡潔に表現できる。ただし結論としては「それぞれおもいやりを持ちましょう」「共感しまいましょう」「マネジメントをうまくやりましょう」…というのでは、何か割り切れないものが…。

人と人とが共感しあうというのはけっこう難しい作業で、その人の生い立ちからその後の生育過程も含めて総合的な活動の所産であることが多い。共感能力がある人とそうでない人というのは勉強してどうなるものでもないのだ。「頼りにしています」「感謝しています」というのは態度では示せないから言葉にしろ…というのもビジネスマナーの領域をでない。要は「あたりまえのことをちゃんとやる」ことさえできていれば組織感情がそれほど悪化することはないのではないか。お互いがお互いを尊重するというのは心理学や社会学などを勉強しなくても近代国家のひとつの前提でもある。違うものどうしでうまくやって組織感情を活性化するのは、けっきょく「あたりまえ」にやるっていう結論になるのだが…。

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