著者名;井上樹 発行年(西暦);2007
Smakktaik とsimulaという古典的な言語の話は聞いたことがあるが、1970年代にすでにアラン・ケイが提唱していたのがこのオブジェクト指向。オブジェクトの方法論については多種多様でその表記方法だけ統一しようということで生まれたのがUML。ライブラリや開発環境、移植性の高さなどが脚光をあびて現在に至るまでの歴史について概説。さらに「ケーキとDVD」というエピソードを使って、オブジェクトとは「ある場面において個別に識別できる何か」という定義を披露して、オブジェクト指向とは「ある場面をオブジェクトの集まりとして現すこと」とする。オブジェクト同士のやりとりがメッセージで、オブジェクトとメッセージがこのオブジェクト指向の基本の2つというわかりやすい解説。オブジェクトがもっている特徴を「属性」そしてオブジェクトによって変化することを「状態」としてオブジェクトに一つのメッセージが与えられても必ずしも同じ結果がかえってくるわけではないことを説明。イベントによって「状態」は変化し、メッセージを受け取るとオブジェクトはメソッドを展開。構造化プログラミングの限界(システムの大規模化)からくるオブジェクト指向やカプセル化の必要性など受験テキストだけでは把握しにくい概念を新書サイズで見事に解説。読んでよかった買ってよかった名作。
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