2007年9月30日日曜日

霞町物語

著者名;浅田次郎 発行年(西暦);2000 出版社;講談社
 地上げなどがまだ始まる前の昭和の高度経済成長期の麻布周辺。おそらくはこうした青春群像を今の50代から60代前半は抱えていただのだろうなあと想像させてくれる筆の力はさすがに直木賞作家。でもちょっとこの世界に入れなかったのはどことなくやはりハイソサエティな感じが今のヒルズ族と通じるものがあるからかなあ…。恋に遊びにと必死に生きている十代後半の男の子の話としてはちょっと美化されすぎている気もする。とはいえ「老い」や「死」、そして父親から息子への「継承」といった日本人をなかせるツボも満載の短編集。文庫本で読む分にはまだいいのかも。

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