2007年9月30日日曜日

リーダーのためのNLP心理学

著者名;菅谷新吾 発行年(西暦);2006  出版社;ソフトバンク・クリエイティブ  
 NLPという用語は使ってあるが内容的には自己啓発ものとさほど大きな変化はない。「質問」を通して新しい考え方を引き出し、変化の時代に柔軟に対応できる部下を養成するというのがリーダーの究極の役目とするとコーチングにしてもすでに相手の内部にある要素を自分自身に気づかせていくことが何より重要ということになる。そして自主的に目標設定をして行動へつながれば組織全体としては活性化するのは間違いない。とはいっても人間が目標達成に至るまでにはいわゆる「達成曲線」を描くため、長期的な視点で物事を考えていかないとおそらくこうした自己啓発は失敗する。細かいプロセス設定をして小さな成功体験をいかに積み上げていくのかが一つのポイントになるのだろう。一種の「メモリ」があれば成功体験の小さな積み重ねは容易になるとも言い換えられる。コミュニケーションスキルと概念スキルをテクニカルスキルよりもなによりも重視する筆者にとって本書の内容のほとんどが生産的なコミュニケーションの紹介になっていたのはカッツの分類から始まる点からして無理なからぬところかもしれない。刺激的な内容の文庫本だ。

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