2012年3月11日日曜日

ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない(マイナビ)

著者:漆原直行 出版社:マイナビ 発行年:2012年 本体価格:830円
 最近書店ではビジネス書がやまほど積まれているが、その並べ方にも変化があるように思える。一時期流行した「自己啓発」系統の本が減り、経済や経営系統のまっとうな書籍の比重が増えてきたように思う。この本でも槍玉にあがっているのは「自己啓発」系統や「ハック」系統の書籍で、会計・経営・経済系統の書籍は、「ビジネス書籍」というジャンルとは区分けされている。自己啓発系統書籍のなかには、オカルト系統や新興宗教系の内容のものも混在しており、それが書店によってはまっとうな書籍の横に並べられていたりするから油断ならない。また「10日間でわかるビジネス理論」だとか「一夜漬けの~」といった参考書的なタイトルになってくると相当中身はやばいと認識するべき。ビジネス書であっても読まないよりは読んだほうがいいはずだが、もっと大事なのは書かれていた内容を実際に実行してみて、自分にあう部分については取り込んでいくという姿勢ではないかと思う。読んだだけで効果が上がるようなことは、読書という行為からするとありえないわけで。最近では会計系統のビジネス書には相当にわかりやすくて、しかも専門書にいざなってくれる良書が増えてきたように思う。「ビジネス書」は一概に「これこれ」というように内容を具体的に羅列することはできないジャンルだが(脳科学もビジネス書籍に位置づけられるケースもあったりする)、読者の側で取捨選択していかないと、出版社の場当たり的なタイトルとマーケティングにおされっぱなしということにもなりかねない。ちょっと読者のほうで取捨選択をしはじめている傾向が見られるようになってはきているが…。

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