2012年2月27日月曜日

ブリッジマンの技術(講談社)

著者:鎌田浩毅 出版社:講談社 発行年:2008年 本体価格:720円
 この著者の「ラクして成果があがる理系的仕事術」は非常に役にたった。そのあとこの本を購入したのだが、なんと3年間「積ん読」。本は購入できるときに購入して読みたいときに読むが鉄則だが、新書を3年間を「積ん読」しておくのはちょっと寝かせすぎか。ただ中身はやはりさすがの内容。学者の世界もビジネスパーソンの世界も人と人との橋渡しがほとんどだが、その「橋渡し」を「フレームワークの橋渡し」として一般技術化してしまったのがこの本。こういう発想はやはり理系的だと思う。文系だとどうしても「こういう言い切りってどうだろう」というためらいがでてきて(そしてそのためらいもまた大事なことは認識しているが)、いろいろな事象から一般原則を導出するのにはやはり理系のほうが便利。ひとつの仮説としてこの本を利用して、あとは個別具体的に応用発展させていけばいいのだから、要は本のなかみをどう実践するかという読者の側に「応用」は委ねられている。で、ブリッジマンという発想、編集者という仕事には非常に役に立つ考え方だ。相手のフレームワークを想定していくというのは実際にはかなりの一般教養が必要で、たとえば専門分野が法律の先生と話をするときにそのフレームワークを理解するということは、法学入門程度はやはりマスターしておかなければならないということを意味する。学者になってしまう編集者もいるけれど、歴史や文学の編集者だったら、そのフレームワーク理解のための一般教養はやはり学術レベルにまでいっているのだろうと納得。

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