2012年2月24日金曜日

40歳からの記憶術(ディスカバー)

著者:和田秀樹 出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン 発行年:2012年 本体価格:1000円
 記憶のメカニズムについてはよくわかっていない部分が多い。とはいえ何らかの工夫をして衰える記憶力をカバーする努力は必要だ。才能がなければ工夫をこらすのは、ある意味当然で、スピードがでなくなった往年のエースは、だいたい変化球を覚えたり配給やスピードの変化で勝利をもぎとる。それに近い面は「勉学」にもあるのではないかと思う。で、著者はアウトプット重視の勉強をすすめるのだが、確かにそうした方法には一理ある。なんらかのレポートを書きながら、付随する知識や理論が頭に入っていくという面は確かにあるし、それをパソコンでなり直していくうちに独特の体系ができあがっていくという面がある。著者が「応用想起」となづけるこの方法、日常生活でもけっこう使える。短期間で無理やり知識を頭にインプットするのが無理な場合でも長期間にわたって想起を繰り返す。さらに知識を加工していくと同時に一つ一つの情報に付帯状況をつけていく。試験でいえば、ひとつの知識だけを無理に頭に入れるのではなく、付随する知識もまたからめて覚え、さらにそれを図解にしたりマインドマップにすることで、記憶に定着するわけだ。マインドマップの理論は個人的には信じてはいないのだけれど逆に、マインドマップのように知識を放射状にしていくという方式はまさしく知識をアウトプットして、しかも付帯状況を付け加え、さらに知識の加工もともなっている。一度出来上がったマインドマップを作り直すことでさらに想起を繰り返すことになる…。知らないよりは知っておいたほうがいい。工夫できる余地をさらに身近なところで応用発展させていくのが大事かと。

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