2012年1月5日木曜日

できるかなクアトロ(角川書店)

著者:西原理恵子 出版社:角川書店 発行年:2010年 本体価格:705円
 賭け事にはあまり興味がない私が「まあじゃん」に興味をもったのは西原理恵子の「まあじゃん放浪記」を読んだから。で、それをきっかけに「ゆんぼくん」「晴れた日は学校を休んで」などほとんど全部の著作物を読んでいるが、旦那さんと離婚し、その旦那さんがガンで倒れてからはちょっと辛くなって西原ワールドから離れていた。で、この「できるかなクアトロ」。もともといろいろな世界に飛び込んで異次元の体験を読者にレポートするという企画だが、インドのヒジュラとよばれる男性の同性愛者の家に寝泊りしたり、高須クリニックのフィリピンでの手術に立ち会ったり、意味もなくポルトガルでタトゥー(の真似事)をしたりといった体験の連続。現在、ポルトガル経済はイタリア、ギリシアなどと並んで危機に瀕しているというが、この本読んで「ん=なるほど」と納得してしまった。どこへ行くのか、あるいはこの本全体を通してのテーマとは何かといった話はほとんど無意味で、はちゃめちゃな色使いの絵柄が展開していくのだが、それがまた西原りえぞうの魅力。どこにも着地点がなく、さらには時系列の作品掲載というわけでもないあたりが、逆に面白い。文庫本サイズ194ページにしてはやや割高ではあるが、4色なのでやむをえず。

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