2011年9月21日水曜日

「思考の老化」をどう防ぐか(PHP研究所)

著者:和田秀樹 出版社:PHP研究所 発行年:2011年 本体価格:720円
「思考の老化」が招くもの、といえば短絡的な意思決定や感情的な意思決定、短気、かんしゃく…といった例が思いつく。また、さしたる根拠もないのに「断言」するという老人が多いわけだが、そうした「老化」を防止するのには前頭葉が大事…というのが、著者の主張だ。この前頭葉が老化を防止するだけでなく、発達も期待できる…というのが興味深い(75ページ)。防止方法にはいろいろあるが、個人的に興味深いのは、「ブツブツ言うより考えろ」という思考方法。不満足や不如意は常に存在するわけだが、それを逆手にとって「打開策」をみつける…というのはけっこう高度な技だ。それがまた前頭葉を刺激するのであれば、一石二鳥ではないかと思う。
ただ、残念なのはすでに「意欲が減退」しきっちゃった人間は、まず本屋にも行かないし、ウェブを閲覧する回数も少ない。したがって「思考の老化」について考えをめぐらすということもないので、前頭葉は放置されっぱなしということになる。また意欲そのものがないので「試行錯誤」そのものを最初から嫌がってしまうのではないか…との予測が成り立つ。早い人だと30代前半で「自分の人生こんなもの」と割り切っちゃう人、けっこう覆いのだけれど、ある程度見苦しくても、できるだけ長く「前頭葉」を活性化している人、60歳になっても70歳になっても人生の楽しみ方を多数覚えて実りある老後になるのではないかと考える。

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