2011年9月7日水曜日

やさしく深堀りIFRS(中央経済社)

著者:中田清穂 出版社:中央経済社 発行年:2011年 本体価格:2800円
A5判で236ページの本としては高めの価格設定だが、IFRSに興味があり、しかも概念フレームワークからIFRSを理解しておきたいという読者にとっては格好の入門書だろう。1989IFRSと2010IFRSの違いと共通点や、表現の忠実性や関連性といった用語も丹念に解説してある。持分の測定は資産の測定額から負債の測定額を差し引くといったあたりまえのようでいて難しい考え方もさらり。定率法がなくなるといった報道もあったが、表現の忠実性からすると陳腐化が激しい固定資産などではむしろ定率法のほうが現実にかなう場面も想定される。個別具体的な会計処理ではなく、むしろ根本的な考え方を大事にしていくというスタンスが大事にされるようだ。かつてのように企業会計原則や連続意見書の丸覚えですむ時代ではなくなったが、その分、いろいろな考え方や適用範囲が想定される分だけ、経済学マターの人にとっても理系の人にとってもとっつきやすい学問に会計学はなったように思える。

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