2011年9月11日日曜日

なぜ、エグゼクティブはたやすくバンカーから抜け出せるのか?(ゴマブックス)

著者:パコ・ムーロ 出版社:ゴマブックス 発行年:2009年 本体価格:1280円
購入してからずっと読まない本もあれば、購入してすぐ読んでさらに何度も読み直す本もある。一回読んでさらに再読する価値があると思えば机の右端に積み、そうでない本は捨てる場所へ置く。で、この本…購入してからかなり時間がたち、さらに途中で挫折して今日読み終わったが…。グラシアンという自己啓発の優れた人が昔いたらしく、それを現代版に語りなおしたという設定。知識あふるる爺さんがなにかしらの教訓を若手の男女に伝えるという構図だが、こういう設定ではアーサー王とマリーンの時代からなぜかジイサン。自己啓発的な内容はいわば常識的な内容でもあるのだが、これをさらに物語にすると、読んで楽しいわけでもなく、かといって心うたれるわけでもない…という中途半端な状態に。要は退屈になるんだな。出発してなにかしらの通過儀礼をへて、そして成長していくという構図がなく、ただ「出発前の準備」しかでてこないので読者はどうしても欲求不満になる。しかもそのネタは昔の「賢者の教え」に由来するとなると…。こういう自己啓発本はまたしばらくたつと、装丁や設定をかえてまた出版されるのかもしれないが、これでは読者は逓減していくのではないかという予感が。

0 件のコメント: