2010年1月3日日曜日

いま20代女性はなぜ40代女性に惹かれるのか(講談社)

著者:大屋洋子 出版社:講談社 発行年:2009年 本体価格:838円
評価:☆
 この新書がかなり売れているらしい。なんとなくだが、40代の男性よりも40代女性のほうが購買層としては高いのではないだろうか。
「まさかウチのオッサンは会社で…」とかいろいろ妄想をかなでるタイトルだし、40代女性は「バブルなれ」していて尽くされるのには慣れているが尽くすタイプではないと本書ではばっさり。また20代男性も尽くしたり告白したりというタイプが多くはないため、40代女性と20代男性が惹かれあうケースは少ないとも。必ずしも不倫の話ばかりではないが、やはりでてくる不倫のケーススタディ。う~ん。やっぱりまずいと思うんだよね。惹かれあったり尊敬しあうことはあっても一線を超えるとひたすら「裏社会街道」へまっしぐらという…。で、結論としては両世代とも「壁」にぶつかりあい、しかも相互補完の関係にあるから惹かれあうということになるのだが、数値例が少ないのと、主観的な考えを補強するのが個別具体的な事例に限定されてしまっており、必ずしも読者を100パーセント納得させることはできないだろう。また同世代を見ても一つの世代を輪切りにして「ひとくくり」に分析してしまうことそのものが乱暴かもしれない。同じ20代、30代、40代でもそれぞれ個人差がある。バブルの時代に浮かれていた男もいただろうがそうでもない男も数多いし、「ゆとり教育」で個性を追求した女性も多いかもしれないが実際には塾や予備校などで既存の学習指導要領とさほど変わらない知識偏重の勉強と偏差値を基準にして主体的に(あるいは客観的に)進路や就職を決めていった女性も数多い。個性を追求するという目的は、逆に個性や目的を失わせる結果になってしまったのは残念だが、しかし育てた親はいずれも旧世代。子供の教育を学校まかせにしていない世代ほど、世代間の差異はほとんどないと考えることもできるだろう。時代の流れにゆさぶられるのはどちらかというと、「指導方針」に追従してしまった人たちだけで、時代や教育方針などにはあまり左右されていない個人も多数いる。
 もし自分なりにまとめるのであれば、「バブルに踊った40代男性」に「なぜ」ゆえに「ゆとり教育に追従した20代女性」が惹かれるのか、といった条件付になるだろう。ま、いずれにしてもレアケースではないかと思うのだが。

0 件のコメント: