2010年1月25日月曜日

争わない生き方(新講社)

著者:和田秀樹 出版社:新講社 発行年:2010年 本体価格:1300円
評価:☆☆☆☆☆
 和田秀樹氏の最新刊。すべての作業や課題は着手するまでは大きくみえるが実際にやってみるとそうでもない、という和田氏の独特の「まずとりあえず始めてみること」や「静かな勝ちかた」といった文章が心にやさしい。勝ち負けの単独の判断基準だとこの世の中は息苦しいが、多様な価値観があれば多様な生き方がでてくる。争うことなく静かに物事が進めばそれにこしたことはないのだ。
 こうしてみると自分自身のまず「性格」があって、その上に「読みたくなる本」「読みやすい本」があるのだと思う。効率至上主義の人がこの本を読んでもそれほど感心することはないとは思うが、静かに物事を進めたい人には非常に勉強になる本だ。ビジネス書籍や生き方の本も読む人の立場や性格で読み分けていくものだと思う。もちろん外資系バリバリの人がこういう本を読んでもいいだろうし、私がカツマーのような本を読んでもいいわけだが、やはりどことなく違和感を感じることは感じる。文学や経済学など学問の世界では異質なものにふれることはいいことだが日常生活にからんでくる部分についてはむしろ読者の側で読者自身の特性を考えた自己啓発を考えていくのが筋だろう。物静かに争いごとを好まない人にとっては、非常にためになる本だ。

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