2010年1月24日日曜日

美容院と1,000円カットでは、そちらが儲かるか(ダイヤモンド社)

著者:林 聰 出版社:ダイヤモンド社 発行年;2008年 本体価格:1500円
 会計本が売れる…というちょっとしたブームもだんだん落ち着いてきた状況の中で、やはり安定した内容と評判を維持しているのはこの林氏の一連の書籍。会計というよりも原価管理に重点を置いた書籍が多いが、ERPシステムを導入してもBPRや要求定義がしっかりしていないとソフトウェア単体だけでは原価管理の効果が薄いこと、そして製造間接費をなるべく企業の活動別に配付していかないと、正しい原価管理ができなくなることなどを小説スタイルでわかりやすく説明してくれている。ただ内容的には標準原価計算や直接原価計算についてはある程度理解している読者のほうが、もっとストーリーを面白く楽しめるだろう。伝統的な原価計算基準にもとづいた原価管理では限界があって、それを乗り越えるのが活動基準原価計算だ…といった流れがこの本の大きな流れとなる。データをただ単に加算していくだけではだめで、どうやって配賦するのが一番経営目的にかなっているのか、そんな視点で読み解くとこの本の奥深さがさらに面白く読めてくるのだと思う。

0 件のコメント: