2011年11月28日月曜日

ビジネスの極意はインドの露天商に学べ!(角川書店)

著者:ラム・チャラン 出版社:角川書店 発行年:2001年 本体価格:1200円
 タイトルはキワモノだが、この本そのものはMBAの基本テキストやサブテキストにもなっているようだ。GEをたてなおしたジャック・ウェルチと露天商に共通する在庫管理や販売予測といった概念をわかりやすく説明してくれる。個人的には「在庫管理」が資金繰りに非常に大事というところまではおおかたの人間はたどりつけるのだと思う。たくさん仕入れれば売上高は一定の規模も確保できるうえ、資金管理についても手形や小切手の支払期日の関係もあるので、すぐ意識にのぼることだろう。ただ、だれもがたどりつけるわけでもないのが商品回転率と資産利益率の「感覚」ではなかろうか。利幅が少ない商品については、それだけ商品回転率を多くしなければならないわけだが、100円ショップが一つの例示となる。非常に利幅が薄い商品を薄利多売で回転させているからダイソーなどは優良企業になる。表面的な利幅もしくは利益率だけみていると、2年も3年もかかってやっと資金を回収できるという計算にもなりかねないが、もちろん資金回収にそれだけ時間がかかれば商売としては成立しえない。資産利益率についても、どれだけの固定資産があってそれがどれだけ利益を生み出しているのか、までは理屈としては理解できても、感覚としてはなかなか体現できないものではなかろうか。著者は5つのインデックスを示すのだが、一番のキモは回転率と資産利益率にあるように思った。
 外部環境の変化を感じ取る能力などは一応言及はされているものの、ちょっとこれは一つの本につめこみすぎの印象も。MBAの指定テキスト…としては入門クラスレベルになるのだろうか。

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