2011年11月9日水曜日

いい奴じゃん(講談社)

著者:清水義範 出版社:講談社 発行年:2011年 本体価格:648円
何某大手メーカーの約20年にわたる粉飾決算が明らかになり、その会社の株価は2日連続でストップ安。さらにイタリアでは財政赤字が懸念されデフォルトすれすれのリスクが高まる国債の利率が7パーセント台へ…。日本のみならず世界中が不景気不景気…。という世相で、この本、運の悪い好青年「鮎太」が、契約社員として運送会社で頑張る。理不尽な解雇にも怒ることなく頑張る。ピアノが足の指の上に落ちてきても頑張る。そして警備員として現場に向かって銃をうたれて意識を失っても頑張る。
著者はこの不景気日本で、20代半ばの人間に「頑張れ」という明朗青春小説を書きたかったのだという。ま、私にしてみれば「そんなご都合主義的な」と独白したくなるシーンもなくはないのだが、それでも喫茶店で一気に読み終わってしまった。なお運送会社の働く場面なども描写されており「養生」という業界用語なども読んでいるうちに頭に入る。

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