2011年11月15日火曜日

ゼミナール民法入門 第4版(日本経済新聞出版)

著者:道垣内弘人 出版社:日本経済新聞出版 発行年:2011年 本体価格:3200円
 内容がわかりやすく説明が手厚く、さらにはコストパフォーマンスも高い民法入門の本。おそらく第1版を読んだときには理解は半分もできなかったが第4版までくるとうっすらとイメージがわいてくる。けっして初心者用に論点を低く設定しているというわけでなく、むしろかなり高度な議論が展開されているのだが、それを巧みな文章力とテーマ設定で読ませてしまう。専門家が読んでも楽しく読め、これから民法を学習しようとする人間にもモチベーションをかきたててくれる本といえるだろう。いわゆる資格試験などの勉強については即効性はないが、間接的にイメージをかきたてるのには役立つ本。縦書き二段組で文字の大きさもやや大きめ(13級か)。ローマ法の歴史から始まり、不当利得の説明まで突っ走る。また国際化した市場取引と債権法(契約法)についての説明もしっかり冒頭でおさえてある。民法は変わらないのではなく、今まさに変わらなければならず、そしてどの部分をどの方向へ変えていくべきかも暗黙のうちに著者は示しているようだ。

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