2011年11月3日木曜日

海の都の物語 2巻(新潮社)

著者:塩野七生 出版社:新潮社 発行年:2009年(文庫版) 本体価格:362円
ベネチアを舞台にしたシェイクスピアの戯曲「オセロ」と「ヴェニスの商人」が冒頭でとりあげられ、ベネチア共和国における有限会社や定期航路(ムーダ)の始まりなどを解説。また当時の帆船についても図解入りで解説(77ページ)。80ページでは複式簿記についてもふれられている。ベネチアの歴史的事件よりは、むしろ交易商人として成功したそのインフラについて著述があてられ、流通や小売といった現在のビジネスパーソンにもベネチア共和国について関心がもてる内容に。現在の株式会社とは異なる合議制的な運営は当時の意思決定システムとしては、先進的なものだったのだろう。いわゆる産業組合というものもベネチアにはなく、それがまた国家として政治的なブレをなくす一つの要因にもなったようだ。

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