2010年6月5日土曜日

最高の成果を生み出す6つのステップ(日本経済新聞出版社)

著者:マーカス・バッキンガム 出版社:日本経済新聞出版社 発行年:2008年 本体価格:1800円 評価:☆☆☆☆
 人間の「強み」「才能」に焦点をあてた書籍が多いマーカス・バッキンガム。すでに2冊を読んでいるが、「強みを伸ばせ」「「弱点を抑制せよ」という論理の根拠がくっきり見える1冊。経営学でいうとおそらくリーダーシップ論に属する本になるかもしれない。「明確にせよ」とは数値化せよ、とほぼ同義で、明確にしなければ測定できないという当たり前のことを当たり前にやろう…という趣旨だろう。性格はほとんど終生かわらないが、性格の現れ方はそれぞれ違ってくるという趣旨が面白い。「気弱な性格」もその強みを理解すれば、「臆病」ではなく「慎重さ」「つつましさ」という長所に転換できる。
 人間の「思い込み」を打破して、「弱み」を「強み」に転換するとともに、その「強み」をさらに強化して伸ばしていこうという著者の意図、なかなかのものである。本来は、ワークノート的に実行しながら書籍に書き込むようになっているが、特にそれにこだわる必要はないだろう。なにかしら目標を立案したあと、その目標を具体化して6つのステップに分けて実行していくというプロセスを明確にしてくれるので、「なにをどうやったらわからない」という状況のときには少なくとも「いかにすべきか」という論点には解決の指針を与えてくれるはずだ。書籍の装丁としてはもう少し工夫が必要かも。赤のグラデだけではちょっと著者にかわいそうな気が…。

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