2010年6月9日水曜日

「激安」のからくり(中央公論新社)

著者:金子哲雄 出版社:中央公論新社 発行年:2010年 本体価格:740円
 グローバリズムとデフレ(激安)のリンケージをわかりやすく説明した本。百貨店の凋落を「対面販売がうっとおしい」という消費者の心理に原因をもとめたり、ナショナルブランドからプライベートブランドへの長期的移動を予測したりと現実的な場面で応用可能な著述が満載。100円ショップの賢い利用方法などもコラムで特集されていたりする。デフレの原因は世界各国から資材や労働力が調達できるグローバリゼーションにあり、それだからゆえ物財の値下げ傾向には歯止めが利かないというものの見方やフェアトレードの見直しなど耳を傾ける提言が多い。流通産業に興味がない読者にも身近な生活を見直す手がかりになるかもしれない。商品のオーバークオリティについても言及されている。ドンキホーテやユニクロ、ダイエーなど実在の企業の経営戦略や経営者の紹介コラムもある。面白い。

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