2012年7月1日日曜日

伊藤元重のマーケティング・エコノミクス(日本経済新聞社)

著者:伊藤元重 出版社:日本経済新聞社 発行年:2006年 本体価格:1700円
 タイトルが「マーケティング・エコノミクス」となっているが、内容的には流通論というべきだろう。一応消費理論(特性アプローチ)とか自己選択理論などもでてくるが、いずれも商品学とかマーチャンダイジングの話だし、タイトルがやや「難しげ」になっているのが書店ではあまり印象が良くないかも…。商品を購入するさいに、単に商品だけを購入するだけではなく、「便利さ」「快適さ」など種々の特性も購入するという考え方が特性理論で、付加価値のついた商品やソフト化された商品といった概念はいずれもこの「特性理論」から派生する概念といっていいだろう。専門は国際経済学の著者にとって、理論ではなく現実的な経済の動向をみていくのに国内の小売商の動向はいきた教材になっているのかもしれない。といって流通論専門の先生とはまた異なるアプローチで現象を読み解いていく「手際」が見事。

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