2012年7月24日火曜日

ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士(早川書房)

著者:スティーグ・ラーソン 出版社:早川書房 発行年:2011年(文庫本) 本体価格:900円
 昨日は午前2時近くまでかかって上巻を読み、今日は通勤途中も帰宅途中も下巻を読み…ということで、縁もゆかりもないスウェーデンを舞台にした孤高のリサーチャーにしてハッカー「リスベット」をめぐるミステリーにがんじがらめの2日間だった。パワーブックやPDAを片手に、ハッキングで情報を収集して意思決定を瞬時に連続しておこなうという、21世紀型の「探偵」像がまたかっこいい。物語の舞台がジブラルタルやフランスなどに移動することもあるけれど、冷たい空気に覆われているであろうスウェーデンとハイテクの組み合わせが一番いい組み合わせかもしれない。「火と戯れる女」もそうだったが扱っている題材は決して新しくはないのだが、独特の価値観と意思決定をくだす「リスベット」の魅力にとりつかれて文庫本であわせて1000ページを超える分量も読んでしまう。著者が亡くなられているため、パソコンに残っている「草稿」でしか第4巻が読めないというのが惜しい。草稿をもとにした4巻の発行もおそらく複数の出版社で検討されているのではないかと思うが…。

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