2012年7月30日月曜日

プラチナタウン(祥伝社)

著者:楡周平 出版社:祥伝社 発行年:2011年(文庫本) 本体価格:714円
 単行本のときから名作といわれていた本が文庫化。総合商社に勤める主人公はとある事情で左遷を余儀なくされ、故郷の赤字を大幅に抱えた町長に就任することに…。「民間活力」を自治体に入れてみたら、どうなるか、を架空の話として小説にし、しかも結構説得力があるところがすごい。
 書店に並べられている本によると夫婦2人で老後をむかえるとき、貯蓄はだいたい3,000万円が必要という時代、大半の世帯にはそれだけの余力はない。しかし放置しておくと孤独死ばかりが続出する、という予想は十分成り立つ。 ビジネスとしてそうした老人世帯を市場に変えていくのであれば、この小説にでてくる「プラチナタウン」のような街づくりは十分「あり」だろう。まあ最初から「ハッピーエンド」が予定されているようなところはあれど、そこはそれ、暗い結末よりもビジネスパーソンには勇気を与えてくれる結末のほうが読後感もよい。これからテレビ化される予定もあり、主人公は大泉洋さんがつとめるとか。

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