2012年7月15日日曜日

追撃の森(文藝春秋)

著者:ジェフリー・ディーヴァー 出版社:文藝春秋 発行年:2012年 本体価格:1000円
 ウィスコンシン州の森のなかで殺人事件が発生。緊急連絡を受けた保安官は現場に向かい、2人の殺人犯に追いかけられつつ、現場にいあわせた友人の女性をともない脱出を図る…。はたして夜明け前までに森をこえて幹線道路に達することができるのか?
 サバイバル・ホラーかと思いきや、最後の100ページで「え?」というどんでん返し。しかも材料は公平に読者にも呈示されているので、きっちり説明がつくようになっている。「ボーン・コレクター」「007 白紙委任状」のジェフリー・ディーヴァーだから期待を裏切らない面白さ。しかも殺人犯のほうも抜け目のない職人肌の犯罪者ということで、頭脳戦争の様子を呈して面白い。こういうサバイバルゲームはやはり「閉ざされた空間」だと面白さが倍増する。ウィスコンシンの深い森のなかという天然の密室のなかでの攻防戦、舞台のロケーションも面白い。

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