2012年7月1日日曜日

環境負債(筑摩書房)

著者:井田徹治 出版社:筑摩書房 発行年:2012年 本体価格:780円
 う~ん…。環境問題が国境や時代を超えた問題であることは周知の事実と思っていたが、それを再確認するという意味合いの新書なのか。特に目新しい内容を読んだという気がしないが、タイトルだけは初めてみる「環境負債」。環境負債がどんどんたまるとやがては「環境破産」になる、という意味合いらしいが、それではその「環境破産」というのが具体的にどのような事態なのかがわからない。あれこれ新規の指標も紹介されているのだが、根っこの部分である問題そのものに新しい解釈がなければインデックスだけ更新しても解決策にはならないのではないか。
 森林問題についてもあっちこっちに著述がちらばって、一応第7章が集大成のようだが、読者の頭のなかで一回文章を再構築しなければならないのが非常に手間。目次の立て方や統計資料、写真などはかなり入っているので、もう少し書籍全体の構成をわかりやすくはできなかったか。索引がまったくないのも不親切。ごちゃごちゃしていて索引がなければ、これも読者のほうでタグをつけなくてはならないということか。

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