2012年7月3日火曜日

英国王7人が名画に秘めた物語(小学館)

著者:ライト裕子 出版社:小学館 発行年:2012年 本体価格:1100円
 小学館のビジュアル新書シリーズの最新刊。4色・コート紙という贅沢な造りで、これならばこの値段もやむをえまい。内容的には陳腐化するようなものではないので、新刊売り切りというよりは重版を重ねていくタイプの新書だろう。このサイズでのアートの入門的な新書って、案外需要が大きそうな予感がする。この本ではロイヤル・コレクション所蔵の絵画とそれにまつわる7人の英国国王のエピソードを紹介。同時に海外ドラマ「チューダー」もみているがヘンリー8世をめぐる物語と絵画は非常に面白い。有名なホルバインの絵とアン・ブーリン、フランソワ1世、カール5世、メアリ1世、フェリペ2世、エリザベス1世の肖像画も紹介されており、この時代の主な登場人物は英国国王と一緒に紹介されている。ロイヤル・コレクションの絵画の説明と歴史上の人物のエピソードとの混在がやや読みにくいが、「こんな絵画をこの国王が所蔵していたのか」という意外感とともに読み進めることができる。

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