2012年7月1日日曜日

サラリーマンの悩みのほとんどにはすでに学問的な「答え」がでている(マイナビ)

著者:西内啓 出版社:マイナビ 発行年:2012年 本体価格:830円
 一応学問的な答えを用意はしてくれている。ただ解決策にはおそらくならないだろう。経済学の場合には一定の仮定をおいてその上で理論上あるべき均衡を指し示し、現実と比較して「それはこういう理由だから…」という展開をたどることが多い。
 自分たちの仕事をより大きなモデルでどらえてそのなかに意義と喜びを見出す…というのは確かにそうだと思う(本を作るにしても単に原稿整理をしているだけです、誤字誤植を探しているだけですというのでは非常につまらないし生産性も上がらない)。文化的枠組みのなかでどこいらへんの仕事をしているのか、書籍流通の流れのなかでどこいらあたりに位置しているのかといった視点がないと多分長くは続かないだろう。ただそういう巨視的な視点をいかに持ち込むかという方法論は明示されていないので、そういう抜本的な解決策を見出そうという読者にとっては「かっくらきん」な感じになるかもしれない。行動心理学や経営学一般に興味のある読者にはこういう見方もできるのか、という面白さもあるだろう。

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